安価なドッグフードの原材料には、大豆ミールが含まれていることがあります。
大豆ということで、それほど危険に思わない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、大豆ミールという原材料は犬の健康状態に影響を与えるリスクが高く、これが含まれているドッグフードを与え続けることはあまりおすすめできません。
ここでは、大豆ミールについて解説していきます。
大豆ミールとは
大豆ミールは脱脂大豆ともいわれ、単刀直入にいうと大豆のカスです。
大豆を食用に加工し、油脂分や有用成分を搾り取って残った残りカスです。
大豆の搾りかすといえば、豆腐を作る際に残る「おから」がありますが、おからは搾り取った残りとはいっても栄養素が十分に含まれています。
対して大豆ミールについては、栄養素が全く含まれていないただのカスです。
本来ならば廃棄されるであろう大豆ミールがなぜドッグフードに使われているのでしょうか?
それは、かさ増しをするためです。
安価で手に入る大豆ミールをドッグフードに使用することで、かさ増しをすることができるのでドッグフードを安く大量生産することができます。
危険性
大豆の残りカスということで害もないように思われるかもしれませんが、大豆ミールには犬にとって危険性を持っています。
大豆ミールが含まれるドッグフードを与えられると、腸内で大豆ミールが発酵して大量のガスが発生します。
一説によると、通常の5倍ものガスが腸内で発生するそうです。
腸内でガスが大量発生することで、鼓腸症になるリスクが高まります。
鼓腸症とは、お腹の中にガスが溜まることにより血行障害や呼吸困難などを引き起こす病気です。
中には、ショック死してしまうケースも見られます。
また、大豆ミールはカルシウムの吸収を阻害します。
それによって、低カルシウム血症に陥り呼吸の乱れや嘔吐、意識喪失を招くこともあります。
さらに、大豆ミールは亜鉛の吸収も邪魔します。
亜鉛不足になると、毛がパサパサになる、脱毛しやすくなる、傷の治りが遅くなるなどの症状を引き起こします。
このように、大豆ミールは犬にとって害がある原材料であり、畜産動物の飼育に使用することも禁止されているほど危険性の高いものです。
選び方
原材料に、大豆ミール(脱脂大豆)が含まれていないドッグフードを選ぶようにしましょう。
また「大豆等」「大豆粉等」などと、曖昧な表現で記載されているものも、大豆ミールが含まれている可能性が高いので避けたほうが良いでしょう。
犬は大豆を消化しにくく、アレルギーを引き起こしやすい食べ物であるので、大豆を食べさせる必要はないともいえます。
しかし、大豆ミールではなく、本来の大豆に含まれている栄養素は犬にとっても有用です。
もし大豆が含まれているドッグフードを購入するのであれば、「全脂大豆」「全粉大豆」などと表記されている、上質な大豆が含まれたドッグフードを選ぶようにしてください。
まとめ
栄養素が全くなく、かさ増し目的で使用されている大豆ミールは、避けたほうが良い原材料の一つです。
現在店頭に並んでいる商品には、大豆ミールが含まれているドッグフードが多いのも事実です。
愛犬の健康を考えるのであれば、このような商品は選ばないようにしましょう。