ドッグフードには、亜硝酸ナトリウムという原材料が使用されていることがあります。
あまり聞き慣れない原材料だと思いますが、意外と添加されているドッグフードは多くあります。
亜硝酸ナトリウムがドッグフードに添加されていると、どのような影響があるのでしょうか?
亜硝酸ナトリウムとは?
亜硝酸ナトリウムは、発色剤としてドッグフードに使用されています。
肉や魚に添加すると、黒ずみを防ぎ、綺麗な赤色を長時間キープすることができます。
ウェットタイプのドッグフードに添加されていることが多いです。
人間の食品にも使用されており、ハムやソーセージなどの肉製品、タラコやイクラなどの魚卵製品など様々なものに添加されています。
また、亜硝酸ナトリウムには、食中毒を引き起こす可能性のあるボツリヌス菌を抑制する効果があります。
混入した菌の増殖を防ぐ保存効果があるので、食品の品質を維持することができます。
危険性
亜硝酸ナトリウムを含んでいるドッグフードを与えると、どのような危険性があるのでしょうか?
亜硝酸ナトリウムは、肉や魚に含まれているアミンという物質と化学反応し、ニトロソアミンを生成します。
ニトロソアミンは、非常に強い発がん性のある物質です。
動物実験において、ラットの餌に微量のニトロソアミンを混ぜて長期間与え続けたところ、肝臓ガンや腎臓ガンが高確率で発症することが確認されています。
それだけでなく、急性症状もあるため、大量に摂取すると、嘔吐や下痢、昏睡などの中毒症状を引き起こします。
亜硝酸ナトリウムは、その危険性から「ペットフード安全法」によって使用量が制限されています。
ドッグフード1gあたり0.1mgまでと使用量が定められています。
ちなみに、ペットフード安全法で使用量が制限されている原材料は、亜硝酸ナトリウムのほかに、エトキシキン、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)の3つしかありません。
このことから、法律で規制しなければいけないほど、健康へ悪影響を与えるリスクが高い原材料であることが分かります。
ニトロソアニンにはビタミンCが有効
強い発がん性物質であるニトロソアニンですが、ビタミンCによってその生成を抑制することができます。
また、ビタミンCには、ニトロソアニンの発がん性を弱めたり、がんの増殖を抑える効果もありといわれています。
そのため、亜硝酸ナトリウムを含んでいるドッグフードには、ビタミンCが添加されていることが多いです。
選び方
犬は色を識別する能力が低いので、発色剤として亜硝酸ナトリウムを使用しても、犬は発色効果を感じることができません。
また、ボツリヌス菌を抑制する効果がありますが、制限量内ではあまり効果がないといわれています。
これらを踏まえると、ドッグフードに亜硝酸ナトリウムを添加することは、犬にとってはほとんど無意味です。
それどころか、発がん性のあるニトロソアニンを生成するので、有害であるといえます。
確かに、基準量を守り、ビタミンCを添加すれば、危険性は低くなります。
しかし、亜硝酸ナトリウムに発がん性リスクがあることは否定できません。
そのため、亜硝酸ナトリウムが含まれているドッグフードは選ばない方が良いでしょう。
まとめ
亜硝酸ナトリウムの含まれているドッグフードは、発色効果によって見栄えが良く美味しそうに見えるかもしれません。
しかし、それは犬にとっては無意味で飼い主の自己満足でしかありません。
亜硝酸ナトリウムは、犬の健康を害する恐れがある以上できるだけ避けた方が良い原材料であるといえます。