ドッグフードのパッケージには成分表示が義務付けられています。
メーカーによって「成分分析値」「保証分析値」「成分値」など記載の仕方は異なりますが、全てのドッグフードに必ず表示されています。
原材料についてはチェックする方はいると思いますが、成分表示までチェックする方は少ないかもしれません。
しかし、成分表示のチェックの仕方が分かれば、より愛犬に合ったドッグフードを選ぶことができるでしょう。
成分分析値の基本
成分表示には、「タンパク質」「脂質」「繊維質」「灰分」「水分」の成分分析値が必ず記載されています。
この5項目については、「ペットフード公正競争規約」によって記載が義務付けられています。
メーカーによっては、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、カルシウム、マグネシウム、亜鉛など、その他の成分についても記載されていることがあります。
表示の仕方について、タンパク質・脂質は◯%以上、繊維質・灰分・水分は◯%以下と記載されています。
これは多く含まれている方が好ましいものは◯%以上、あまり多すぎると好ましくないものは◯%以下となっています。
この数値は保証値であり、これだけは含まれていると保証しています。
また、粗タンパク質などのように成分の頭に粗という文字が記載されていることがあります。
これは純粋にその成分だけでなく、他の成分も混ざっているという意味です。
純粋にその成分だけを測定するのは難しいためそのような記載となっています。
それぞれの成分のポイント
タンパク質
タンパク質は、筋肉・皮膚・血液などに必要な栄養素です。
とても重要な栄養素で、犬は人間の倍程度のタンパク質を必要とします。
タンパク質が不足すると、皮膚が荒れる、毛が細くなる、抜け毛が多くなるなどの影響があります。
おすすめとしては、25〜35%以上とパッケージに記載されているものを選ぶと良いでしょう。
脂質
脂肪はエネルギー源となる大切な栄養素で、体温の維持やビタミン類の消化・吸収を高めるなどの役割を果たします。
脂肪が不足すると、免疫力の低下や皮膚炎の原因となります。
おすすめとしては、15%前後含まれているものが良いでしょう。
肥満気味の犬であれば、脂肪が控えめなドッグフードを選ぶという選択もありだと思います。
繊維質
繊維質には水溶性と不溶性がありますが、水溶性食物繊維は測定ができないため、成分表示されているものは不溶性食物繊維ということになります。
不溶性食物繊維は、消化されずそのまま便として排出されるので栄養源とはなりません。
適量であれば肥満や便秘に効果がありますが、過剰にとりすぎると便秘が悪化してしまいます。
繊維質については、3〜5%前後含まれているものがおすすめとなります。
灰分
灰分とはミネラルのことを指し、体の調子を整えるのに役立ちます。
主要なものとしては、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・リン・カリウムなどがあります。
体の機能の維持に重要な役割を果たしますが、とりすぎると尿路結石などのリスクが高まってしまいます。
おすすめとしては、7%前後のものを選ぶと良いでしょう。
水分
水分については、あまり気にしなくて良いです。
ドッグフードの良し悪しに水分の成分表示は関係ありません。
ちなみに、ドライフードであれば10%以下の表示となります。
AAFCOの最低要求量について
ドッグフードのパッケージに、「AAFCOの基準をクリア」などの表記を見たことがある方もいると思います。
AAFCOとは、Association of American Feed Control Officialの略で、日本語では米国飼料検査官協会などと訳されます。
この機関では、ドッグフードの成分について最低要求量を設定しています。
表記が義務付けられている5項目のうちでは、タンパク質と脂質について最低要求量が設定されており、
タンパク質に設定されている最低要求量は、成長期(子犬)で22.5%、維持期(成犬)で18%、
脂質で設定されている最低要求量は、成長期(子犬)で8.5%、維持期(成犬)で5.5%とされています。
ここで注意する点は、AAFCOの最低要求量は「乾燥重量比」であるということです。
乾燥重量比とは、フード中の水分量を引いた数値であるという意味です。
パッケージに記載されている成分表は水分を含んでいる重量比なので、AAFCOの最低要求量と比較する場合は乾燥重量比に計算し直して比較する必要があります。
計算式は、「数値÷(100-水分量)」となります。
また、上記でおすすめした数値は乾燥重量比ではなく、パッケージに記載されている水分量を含んだ数値である点に注意してください。
まとめ
原材料の表記は安全性の高いドッグフードを選ぶ点でとても重要ですが、成分表記については栄養バランスをチェックするという点で非常に重要です。
ちなみに、ソフトドライタイプ・セミモイストタイプ・ウエットタイプについては、水分量が多いので乾燥重量比に直してからAAFCOの最低要求量と比較すると良いでしょう。
ドッグフードを選ぶ際には、原材料だけでなく成分表記についてもチェックすることで、より愛犬に合ったドッグフードを選ぶことができるでしょう。