ドッグフードの原材料に、ビートパルプというものが含まれていることがあります。
ビートパルプについては、危険性があるといった意見もあれば、問題ないという声もあり、賛否両論のようです。
ビートパルプが含まれているドッグフードは、危険性があるのでしょうか?
ビートパルプとは?
そもそもビートパルプとは何でしょうか?
ビートパルプとは、甜菜(てんさい)から砂糖を搾り取った後に残る繊維部分のことです。
ビートは甜菜、パルプは食物繊維を意味します。
甜菜は砂糖大根とも呼ばれ、主に砂糖を抽出することに使用されます。
そこで残った搾りカスのことを、ビートパルプといいます。
搾りカスとはいっても糖分は8%程度あり、食物繊維も豊富なので、主に家畜の飼料として利用されています。
ビートパルプの作り方
ビートパルプには、「圧力をかけて作る方法」と「薬剤を使用して作る方法」があります。
前者は、圧力をかけながら砂糖を抽出し、残った繊維部分を取り出します。
後者は、硫酸系の薬剤を使用して、繊維部分以外を人工的に溶かすことで作ります。
ビートパルプは、薬剤を使用することで製造コストを抑えることができます。
そのため、安価なドッグフードは薬剤を使用して製造しているといって良いでしょう。
なぜビートパルプが使用されるのか?
ビートパルプは、甜菜から砂糖を抽出した残りカスなので、安く手に入れることができます。
原材料にビートパルプを使用することで、製造コストを抑えてドッグフードのかさを増すことができることになります。
つまり、かさ増し目的で使用されているのです。
ビートパルプを使用する危険性
薬剤が残留している可能性
ビートパルプには主に2つの製造方法があると説明しましたが、ドッグフードに使用されているものは、「薬剤を使用して作る方法」であることがほとんどです。
特に、安価なドッグフードではその傾向が顕著です。
薬剤を使用したビートパルプは、使用した薬剤が残留している可能性があります。
ペットフード安全法があるので、薬剤が残っているとはいっても微量です。
しかし、微量とはいえ薬剤が残留しているドッグフードを長期間与え続けた場合、必ずしも犬の健康を害さないとは言えないと思われます。
便秘になるかも
ビートパルプに含まれている食物繊維は不溶性なので、水に溶けず、水分を吸収してふくれます。
このため、腸壁を刺激し、腸の運動を盛んにすることで、便の排出を促進します。
不溶性食物繊維を含むビートパルプには、整腸効果があるのです。
しかし、不溶性食物繊維を過剰に摂取してしまうと、硬くてコロコロの便となってしまい便秘につながる可能性があります。
健康状態が把握しにくい
犬の便は、犬の健康状態を知る為のバロメーターでもあります。
便が柔らかくなっていることで、体調不良等を把握できることもあります。
体調不良で便が柔らくなっているはずが、ビートパルプの不溶性食物繊維によって硬くなってしまい、体調不良に気づかないことも考えられます。
選び方
薬剤の残留については、微量であると思われるので気にしなくて良いと思います。
しかし、小型犬に長期間与えた場合の影響など、不透明な点があることも事実です。
また、原材料の表記からは、ビートパルプがどの程度含まれているか分かりません。
かさ増し目的で、大量に含まれている可能性も考えられます。
選び方としては、ビートパルプの含まれているドッグフードは選ばない方が良いでしょう。
ビートパルプについては、犬にとってメリットがほとんどなく、健康を害するリスクも否定できないため、あえて含まれているものを選択する必要はないと思います。
まとめ
ビートパルプは、プレミアムフードなどの比較的高価なドッグフードに含まれていることもあります。
大量に摂取しなければ、特に問題ないと思います。
しかし、どの程度含まれているか分からない以上、避けた方が無難であるといえるでしょう。